2013-04-27

2008年04月12日 井上ひさし『ボローニャ紀行』

2008年04月12日
 井上ひさし『ボローニャ紀行』        
井上ひさし『ボローニャ紀行』文藝春秋
がすこぶるおもしろい!

世界最古の大学はボローニャ大学。
1088年というから、日本は平安時代だ。
卒業生には、ダンテ、ペトラルカ、エラスムス、コペルニクス・・すげえ(^^;)

でも、もっとすごいのは、この大学には校舎がなく、
学生は教授の家に押しかけたり、広場、教会で教えを請うたと。
(校舎ができるのは1563年で、ガリレオはその校舎で学んだらしいとか)

このボローニャ大学は、ヨーロッパ中からあつまった学生たちが
組合をつくって、管理した。
ラテン語の「ウニウエルシタス」は自治的な組合という意味で
英語の「ユニバーシティ」となるのだそうだ。

学生が教授を人選し、授業内容も給料も決め、
教授のつまらない授業には罰金をとり、
それでも改善されなければくびにする。学長も学生が選ぶ。

イタリアの都市国家の話だけど、
ヨーロッパってすげー文化だなあとしみじみ思わされますね。

この間のデンマークの話もそうだけれど、
こうした人間の営み、文化、思想、そうした上に、
人権の思想も福祉の思想もあるんだろね。

こんな下りもありました。

 国という抽象的な存在ではなく、目に見える赤煉瓦の街、
 そしてそこに住む人たちのために働く、
 それがボローニャの精神なのだ。

 

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