10年という時の単位 ー 「故郷の香り」と「浅の川暮色」、そしてちあきなおみと
カテゴリ:映画・TV
深夜のテレビが「ちあきなおみ」を流している。なんだか存在感の薄い歌い手ばかりのなかで、
彼女の圧倒的な存在感はこころにせまる。
いつものように 幕があき~ 届いた知らせは・・・
最大の理解者、最愛の人=プロデューサーで夫が亡くなった後
彼女は芸能活動を完全に休止した。
もう13年になるそうだ。
おとといあたりからおなかの調子が悪く、
カミサンからは、はやりの風邪はおなかにくるみたいよ、
なんて言われて、少し養生している。
で、さっきまでDVDで見ていたのだが「故郷の香り」
監督=フォ・ジェンチィ、脚本=チウ・シー
「山の郵便配達」のコンビだ。
あらすじや唯一の日本人で聴覚障害者を演ずる香川照之
(浜木綿子の息子)など
すごいなあとおもわせるけど、
「山の郵便配達」もそうだったのだけれど、段々畑の山居合いの村。
これだね。俺にぐっとくるのは
あぜ道、脱穀、もみすり機、わら積みなどなど村の風景が
昭和30年代、高度経済成長以前の日本の田舎と同じものを感じ、
なんとも懐かしく、故郷の空気を感じてしまうのだ。
黒木瞳と天海祐希を足して2で割ったような雰囲気の初恋の人。
彼女をわすれようとして、わすれられず10年が過ぎ、
北京で家庭をもち子どもの生まれたグズな主人公との再会。
彼女の夫となった香川の葛藤。
ところで、この10年という時の単位は、不思議だね。
五木寛之の小説『浅の川暮色』の主人公が金沢を訪れ、
恋人と再会するのも10年目なんだよね。
たしかに、20年だとだいぶ昔のこととなり、
10年というと人の情はまだ残り火が消え切っていないというか
そんな感覚なのかなあ。
ちあきなおみと同世代の井上陽水も
10年は ひと昔~
なんて歌ってたな。
「人生が二度あれば」なんて、しぶい、いい歌もあった。
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