2013-04-27

2006年08月16日 温泉でフツーのくらしを考えた

2006年08月16日
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 温泉でフツーのくらしを考えた

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カミサンの里は剣岳の麓の人口3万ほどの町。
町営の総合病院で大晦日の夜に発熱した娘を診てもらい
町民の安心のために自治体経営の病院があり、
それを町民が支持していると数年前レポートしたことがあった。

その町は平成の市町村大合併のなかでも、町をとしての自治体を守っていた。
富山西部地域が広域合併していて、聞き慣れない市が生まれている中で
東部地域は合併でないことを決めたのだという。

そんな町の総合福祉センターは町役場の隣にあり、町営の温泉施設を持っている。
町営の温泉施設が総合福祉センターなのだ。
開館8年目。入館者は200万人になると今朝の新聞に出ていた。
「交通の便、泉質の良さと食べ物持ち込み自由」が支持されたのだという。

昨日今日はいとこの息子の小学校一年生くんと利用しているのだが、
ふんだんに温泉を使って、ジャグジーも打たせ湯も足湯にサウナに露天風呂と
なんでもありなのだが、
ま、ともかく地元の顔見知りの人たちの会話を聞いているのが、
ああ、北陸にいるなあと、のんびりした気持ちになる。

小一くんは露天風呂で手話をしているおじさんたちをじっとみていて
「おじちゃん、あのおじちゃんたちは何してるの?」と聞いてきた。
「手話といって耳の聞こえない人が話し合ってるんだよ」というと
「ふーん、話してるんだ」と納得したようだ。

ジイちゃん、バアちゃんは年間利用のパスを持っていて、
毎晩、春夏秋冬、この温泉を利用している。
ここで、1時間から1時間半、知り合いたちと世間話しながら過ごすのだそうだ。

車や自転車でほとんどの人がここにやってくる。
広域な町だから、遠いところのバアちゃんたちは、
朝はスクールバスとして活躍した町営バスが、それが終わるとコミュニティバスとして
各町中からこの温泉=福祉センターをめざす。
かくして、ここにつどえば、温泉でのんびりリフレッシュ、
さらにほとんどの情報はここで口コミで共有できる。
ある程度の世代間の断絶は、少しうまっている。

公営の温泉施設はけっこうみかけるけれど、
それがまるまる福祉センターとしてあると、
これは絶妙なコラボレーションになるなあと、妙に感心しているのだ。

温泉で1時間、食事でおしゃべりしながら1時間かける。
なんとも健康的、なんとも人間的、しかしそれがフツーの生活かもしれないなあ。
そういう場を実現しちゃっている町政って、(結果としてかもしれないけど)
けっこうすごくない?
なんて、露天風呂から夏の星空を見上げながら考えているのだ。

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