2010-01-05

2010年1月1日に思ったこと


日本海の海辺に「能生(のう)」という駅がある。
富山は一晩で町中でも50センチをこえる大雪だった。
東京にむかう列車は、わたしたちの乗った次の便からはすべて運休で、
ホームには怒りよりもあきらめとなぐさめに近いような雰囲気があった。

でも、その特急列車も止まっている。
大雪にはけっこう強い列車も、大風には弱い。
シベリアから吹いてくる激しい風の弱まるのを待って、まず90分の遅れだ。
そして、ラッセル車の除雪を待ったり、結局、上越新幹線に接続する越後湯沢駅では4時間遅れ。
乗り換えには、お土産を両手に走るしかない!
(それと2時間以上の特急の遅延証明を取っておかねば(^^;))

あれ? カミサンがいない! と後ろを見ると、
ゆるりと「柿の種」を買っている(「だって、ここのが一番おいしいんだもの」)
かくして、2010年は、はじまりました。

   ○●○

年の暮れの29日は、赤坂で午後2時から9時過ぎまで会議でした。
障害者自立支援法訴訟は政府より異例の「協議」が秋に申し入れられ、
ツメにツメたハードな「協議」が続けられています。

原告の秋保喜美子さんは、広島から片道5時間以上かけて、電動車いすで「協議」に参加しています。
 「定めたい 新制度への道しるべ」 彼女の新春ひとことメッセージです。

埼玉の原告補佐人・新井たかねさんも「協議」メンバーです。
政務官に、与党議員たちに、重度障害者の娘の育代さんを代弁し、また埼玉の原告の仲間の声を切々と訴えています。
 「すべての命が輝くために」 たかねさんの新春メッセージですが、わたしもこころからそう思います。

紅白の後の「ゆく年くる年」は、ヒロシマの寺の鐘でした。
2009年は被爆者の、そして障害者の当事者運動が、歴史の風穴をあけた年だったと鐘の音を聞いていました。

   ○●○

大雪と強風で列車は遅れに遅れたので、恒例の元旦各紙を読みました。
朝日、日経、毎日、日刊スポーツ、北國、富山、赤旗。正直、今年はインパクトが弱かったような(^^;)

ただ、二つ、印象に残りました。
朝日新聞第4部「読む」 本から本へつながり無限・大江健三郎 談
「渡辺先生、ノーマン、丸山真男さん、加藤周一、テツオ・ナジタがつながってくる脈絡とはそういうことです」
「脈絡が重なりいちばん色濃くなっている場所がぼくの『萃点』(鶴見和子の言葉)です」
これは、大江の書斎の写真とともにこころに残った。

そして、「赤旗」の谷川俊太郎「新しい年」

  新しい年が夜の闇にこだましている
  違うよ あれはただの除夜の鐘

  新しい年が水平線の向こうから上がってきた
  違うよ あれはただの初日の出

    と続き、最後に

  新しい年が平和への一歩を踏み出した
  違うよ それはただの理想

  新しい年が地球の上にやってきた
  違うよ それはきみの決意の中にしか来ない


2010年1月1日。今日からの10年は、平和と希望の21世紀を決定づける10年になるのだろう。
その決意を、ともに!


PS
昨年の『北欧考える旅』出版では、みなさんのご感想に、勇気をたくさんいただきました。
たくさんの書評は、わたしの宝物です。
  http://www.nginet.or.jp/shuppan/2009/hokuou.html
で、今度は「みんなのねがい」4月号から「フォト・エッセイ」風に、
「北欧 福祉と教育 街歩き」を連載することになりました(^_-)

では、みなさん、健康に留意して、よい年にしていきましょう!

PS2 写真は、北アルプスをてらす月