2012-05-29

国会前の路上に13日間、のべ3000! 障害者は今、何に怒っているのか


地域の女性たちのグループの機関紙に書いたものです。ご笑覧(^_-)
参考資料は http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/index.html

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寄稿
国会前の路上に13日間、のべ3000!
障害者は今、何に怒っているのか
薗部英夫(全国障害者問題研究会事務局長・前沢在住)

4月中頃から全国から障害者が国会前の路上に駆けつけ(13日間でのべ3000名)、雨や風や炎天下の中でも怒りの声を上げています。

 障害者は身体、知的、精神障害で約700万人。発達障害や内部障害含めると1000万人をこえます。

 障害者の支援をめぐってこの10年間激しい攻防がありました。その象徴が”天下の悪法”障害者自立支援法。食事や排泄、移動や手話など障害があることでどうしても必要な「支援」に対して「応益・自己負担」が強いられる世界でも例のない悪法です(2005年小泉内閣成立)。障害が重ければ重いほど負担が増えるのです。

 「食事をして利益を受けたからとお金を払ったことはありません。娘は、誰かにしてもらうとお金を払わされる。障害を持って生まれたことは娘に親に責任があるというのでしょうか。普通に生活したいと願うことはぜいたくなのでしょうか」

 こうした訴えが、全国14地裁で違憲訴訟となり、法の廃止を公約した民主党が政権につくと「人間の尊厳を傷つけた」と反省し、「2013年8月までに法を廃止し、新法を実施する」とした「基本合意」を締結。この基本合意と国連・障害者権利条約の流れが、制度改革議論を史上はじめて障害当事者参加で行わせ、障害者団体は一つになって「骨格提言」をまとめました。しかし・・・

 今年2月厚労省が示した案は最悪で「名ばかり新法」。基本合意違反、骨格提言棚上げで政府の検討会議の三役までもが激しく批判。ところが官僚と自民・公明と呼応した民主党は、この「総合支援法案」を閣議決定。4月には衆議院でわずか3時間審議で可決。土俵際の裏切りです(東久留米の市長と同じ)。

 政党のマニファスト破りは政党政治の自己否定でしょう。しかし、司法で決着した「基本合意」と「和解」を国が一方的に反故にしたら、国のありようが、民主主義が、なにも信じられなくなってしまいます。

 障害者は、運動と世論によって「風穴」を開けました。いまその風穴がふさがれようとしています。根っこには世界的な新自由主義と根底に日米同盟(政治・軍事・経済・思想)を感じます。沖縄も原発も消費税増税も福祉・医療切り捨てもすべてつながっているのです。

 「骨をもゆるがす怒り」と原告たち。「私たちぬきに私たちのことを決めるな」「最後まであきらめない」と岩手、高知、鹿児島など各地から車いすや盲導犬、手話通訳とともに駆けつける障害者たち。たとえ数の力で踏みにじられようと、この闘いは他の多くの運動と連帯してつづきます。


2012-05-20

コペンハーゲンの地下鉄コンサート

涙がでるほどおしゃれ!

「どっきり」動画とのことだが、映像も美しく、説得力がある。
なによりも、みんなの表情がいい。

コペンハーゲンの地下鉄は何度か乗ったけど、
バリアフリーはいうにおよばず、たしかに静かだった。


お年寄りがいて、若者や赤ちゃんがいて、移民の人たちがいて、
男たちがいて、女たちがいる。

そして、地下鉄が地上に出ると、そこには希望の光があふれる。

2012-02-18

2012年1月1日雑感

もう、梅の香る頃なのだけれど、どうにもこうにも、ブログまで手が回らず、さりとて、今年1番の書き込みがないと、ずっとないような気もするので、こころの記録として残します。

写真は、デンマークとスウェーデンの間の海峡にある風車群。







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ドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」: http://www.uplink.co.jp/100000/
フィンランドで建設が進む世界初の高レベル放射性廃棄物の最終処分場、人類は10万年後まで管理できるのかがDVD発売され、年末、デンマーク人のマイケル・マドセン監督(40歳)が来日した。
福島原発事故で、欧米のメディアは「日本国内の情報公開が不十分」と報じたが、マドセン監督は、「日本には事実を国民に教えない文化があるのか。あるとすればなぜ、日本人は納得してしまうのか」と問うたそうだ。

   ◆

インターネットがつながらないところに帰省していた年末。
テレビに流れた「ふりかえるのも嫌な年だった」と浪江焼きそばを食べる人のインタビューが耳に残った。
でも、紅白では「革命家」の素質を持つレディ・ガガに驚き、石巻の小学校の瓦礫の校庭から子どもたちに共に生きるとメッセージした長渕に、歌の力を感じた。
ユーミンの「春よ来い」もよかったな

   ◆

明けて1日。
冬の日本海はめずらしく穏やかでやさしい程だった。
読んだ元旦紙は、朝日、毎日、日経、北國、富山、日刊スポーツ、そして東京、赤旗。
毎日新聞の社説は、
「問題解決できる政治を」として、「求む、情熱と判断力」「なぜ妥協しないのか」
の見出しだ・・・
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120101k0000m070069000c.html

こんなコピーも目に止まった。
「人のためだから、がんばれる。人と一緒にだから、歩いていける。
みんなが手と手を取りあい、たくましく前を向く姿を見て、
私はこの国に生まれてきたことをあらためて誇りに思いました」
杯を持った渡哲也がいる(年末の「坂の上の雲」の東郷平八郎だ)
日経に載った「よろこびの清酒 松竹梅」の広告だけど、
やはり、根本が違うのではないか。

誇りに思うのは”この国に生まれてきたこと”ではない。
どんな困難なときも、”みんなが手と手を取りあい、たくましく前を向く”
ことができる人びとを尊敬し、強く連帯したいとおもう。

   ◆

政権交代のときの元日の紙面には賑やかに踊っていたスウェーデンモデルの記事はピタッとやんだ。スウェーデンでさえ世界の巨大なマネーの中で模索しているのだから、「礼賛」の対象ではないだろう。でも、ホントに、どの新聞も北欧関連の記事なかったなあ(^^;)

そんななか、わたしは、身の丈サイズの資本主義で民主主義を徹底するデンマークを5日~14日まで旅してきます。
今回は、とりわけデンマークの「自治」や「連帯」を形成した運動を学びながら、グルントヴィのとりくみ、国民高等学校運動や農民運動などをユトランド半島の福祉、教育の現場を訪問して、障害者や関係者から意見を聞いてきたいとおもいます。

それでは、わたしの今年の「寒中見舞い」のベースになった詩を紹介して、
また1年、みなさんと歴史を重ね合えればとおもっています。
どうぞ、よろしくお願いします。


こころの色
谷川俊太郎

私がなにを思ってきたか
それがいまの私をつくっている
あなたがなにを考えてきたのか
それがいまのあなたそのもの

世界はみんなのこころで決まる
世界はみんなのこころで変わる

あかんぼうのこころは白紙
大きくなると色にそまる

私のこころはどんな色?
きれいな色にこころをそめたい
きれいな色ならきっと幸せ
すきとおっていればもっと幸せ