地域の女性たちのグループの機関紙に書いたものです。ご笑覧(^_-)
参考資料は http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/index.html
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寄稿
国会前の路上に13日間、のべ3000!
障害者は今、何に怒っているのか
薗部英夫(全国障害者問題研究会事務局長・前沢在住)
4月中頃から全国から障害者が国会前の路上に駆けつけ(13日間でのべ3000名)、雨や風や炎天下の中でも怒りの声を上げています。
障害者は身体、知的、精神障害で約700万人。発達障害や内部障害含めると1000万人をこえます。
障害者の支援をめぐってこの10年間激しい攻防がありました。その象徴が”天下の悪法”障害者自立支援法。食事や排泄、移動や手話など障害があることでどうしても必要な「支援」に対して「応益・自己負担」が強いられる世界でも例のない悪法です(2005年小泉内閣成立)。障害が重ければ重いほど負担が増えるのです。
「食事をして利益を受けたからとお金を払ったことはありません。娘は、誰かにしてもらうとお金を払わされる。障害を持って生まれたことは娘に親に責任があるというのでしょうか。普通に生活したいと願うことはぜいたくなのでしょうか」
こうした訴えが、全国14地裁で違憲訴訟となり、法の廃止を公約した民主党が政権につくと「人間の尊厳を傷つけた」と反省し、「2013年8月までに法を廃止し、新法を実施する」とした「基本合意」を締結。この基本合意と国連・障害者権利条約の流れが、制度改革議論を史上はじめて障害当事者参加で行わせ、障害者団体は一つになって「骨格提言」をまとめました。しかし・・・
今年2月厚労省が示した案は最悪で「名ばかり新法」。基本合意違反、骨格提言棚上げで政府の検討会議の三役までもが激しく批判。ところが官僚と自民・公明と呼応した民主党は、この「総合支援法案」を閣議決定。4月には衆議院でわずか3時間審議で可決。土俵際の裏切りです(東久留米の市長と同じ)。
政党のマニファスト破りは政党政治の自己否定でしょう。しかし、司法で決着した「基本合意」と「和解」を国が一方的に反故にしたら、国のありようが、民主主義が、なにも信じられなくなってしまいます。
障害者は、運動と世論によって「風穴」を開けました。いまその風穴がふさがれようとしています。根っこには世界的な新自由主義と根底に日米同盟(政治・軍事・経済・思想)を感じます。沖縄も原発も消費税増税も福祉・医療切り捨てもすべてつながっているのです。
「骨をもゆるがす怒り」と原告たち。「私たちぬきに私たちのことを決めるな」「最後まであきらめない」と岩手、高知、鹿児島など各地から車いすや盲導犬、手話通訳とともに駆けつける障害者たち。たとえ数の力で踏みにじられようと、この闘いは他の多くの運動と連帯してつづきます。
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