2013-04-27

2006年05月31日 米原万里さん、残念

2006年05月31日
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 米原万里さん、残念

カテゴリ:世情
ロシア語通訳でありエッセイスト、最近は文学者の風格だった
米原万里さんが、亡くなられた
56歳。これからの活躍が期待されていただけに、とても残念だ。

NHKの「世界わが心の旅」というシリーズで
プラハ時代の3人の同級生を訪ねる旅には、じつに感動して、
以来この人を注目していた。

日本ペンクラブ編『それでも私は戦争に反対します』
米原万里「バクダッドの靴磨き」も読ませたが、
『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社)をわたしは一番にあげる
2002/11/16 にこんなことを書いた。

涙ぼろぼろのノンフィクション
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』も今年のベスト3は確定といったけれど、
はじめての本格的な小説で、ここまで書いちゃうとは、、、、

サスペンス風だからあらすじは書きませんが、
同時代史がバックにあるからまるで自分史のように、
主人公の体験を共有してる感じがします。

しかし、ラーゲリ(強制収容所)の過酷な重労働や耐え難い寒さ、
不潔不衛生と貧弱な食事の辛さよりも、
生きようとする力を奪ったのは、
ラジオ、新聞、肉親との文通まで外部からの情報をいっさい遮断されたこと。
本と筆記用具の所持を禁じられたこと。
その彼女たちは、
役者は一人芝居を、俳優は「オセロ」を一人で全訳をこなしはじめ、
それぞれの記憶にある『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』など再現したという。

「自由の身であった頃、心に刻んだ本が生命力を吹き込んでくれたんですよ」
このフレーズには、なんとも、涙がとまらなかった。

おそるべし。米原万里(^_-)
めざせ!ノーベル文学賞!

あまりにも早い。ガンが恨めしい。

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