雑司ヶ谷って知ってますか?
カテゴリ:世情
「雑司ヶ谷」というとわたしには特別な響きがある。みなさんはどんなイメージをもつだろう。
「こころ」の夏目漱石の墓は、雑司ヶ谷霊園にある。
静かな散歩道だ。
テレビで鶴田浩二や水谷豊、桃井かおりが輝いていたのは「男たちの旅路」。
「本気で生きてきたか?」「ギリギリに生きてみたか?」
という鶴田の説教はけっこう胸に響いたし、「車輪の一歩」は心に残った。
そのドラマの風景をつくってたのが都電荒川線。
都電は、電車やバスや車とちがって、軒先を走っていても、不思議にうるさくないんだよね。
人間には違和感のないスピードと騒音というのがあるのかもしれないね。
そんなわけで(たいしたわけでもないけど)
漱石の墓と都電にひかれて、都心にありながら、けこう下町風のこのエリアに数年住んだことがあります。
はじめて住んだ4畳半の昼なお暗い木造アパートでは、
こぶし大のゴキブリが襲ってきて、
おもわずキャー!といってしまったり(^^;)
6畳間の下宿家に移ったあとも、母屋のブレーカーがよく落ちて、
その度、なぜか電気に明るいわたしが、直しにいったものだ
(なのに大家はちっとも下宿代を負けてはくれなかった)
そんな雑司ヶ谷も異変が起きている。
というか、いま、東京がまたまた工事ラッシュなのだ。きっと。
よく利用していた都電の「鬼子母神前」の駅周辺は、
なんだなんだ焼け野原か?とおもうほど、街がひっくりされている。
メインは、明治通りの地下を走る地下鉄工事と
(この地下鉄線は映画「交渉人 真下正義」のラストを飾っている)
それと並行して走る「明治通りバイパス?」の道路工事だ。
そんななかでも、豆腐屋と焼鳥屋が健在で商いしているのはなんかほっとさせられた。
東京は六本木ヒルズに象徴される超高層ビルだけでなく、
やれテナントビルだ、マンションだなどなど、
駐停車禁止の道路にダンプカーがどんどんやってきている。
いったいどこがド不況の国なんだろとマジにおもうね(^^;)
深刻なのは、郊外。
数少なくなった雑木林はどんどん切り倒され、
小さな敷地にめいっぱいの建売住宅がこれでもかと増えている
(けっこう売れ残りもあるみたい)。
そして問題は、企業のもっていたグランドなどの跡地だ。
熊谷組のもっていた野球練習場は、250戸の高級注文住宅になった。
三和銀行のグランド跡は、高級マンションになり、
第一勧銀のグランド跡には来年、まともな道路もつくられていない中で
巨大なイオンショッピングセンターがやって来る。
けっこう緑と空き地の多かった環境はあらあらとなくなり、
残っているのは、老舗の墓地くらいだ、、、なんだかな
日本って、隣の土地でも、だれかが買ってしまったら、
その人が好きなように使っても、
こちらはびくびくして暮らしてるみたいなとこがある。
ヨーロッパではそうした「私権」は、
公共(パブリックな)の「まちづくり」によって厳しく規制される。
結果として、だれもが行ってみたいとおもうような美しい街並みは
保存され、改善されてるヨーロッパと、
どこもかしこも同じように、
ごちゃごちゃとした息苦しい空間の日本と、、、
今日は、ためいき。あーーあ
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