2011-07-08

イタリアは深い

銀座で試写会をみました。
「人生、ここにあり!」
イタリア映画です。

完璧に引き込まれてしまいました。
なんといえばいいか、
こころの琴線にふれたというのか、
自分の人生も重ねて感じちゃって、バスタオルで何度も涙拭いてました。

1978年、イタリアは「バザリア」法によって、精神病院が閉鎖されはじめます。
映画の舞台は、80年代初頭のミラノ。
物語は、有名なトリエステでの実話をベースにしていますが、
芸術の街・ミラノに舞台を据えた理由もわかります。
じつに映像が美しい。
一つ一つのシーンが自然に、違和感なく、それでいてなんとも芸術的なのです。

そして、「深い」と感じるのは映像だけではないんです。
映画の”隠し味”に、まず「自由」がある。
 =収容・隔離して”薬漬け”にするのではなく「自由こそ治療だ」

さらには「連帯」です。
イタリアの社会運動の根底に流れている「協同組合」の思想と実践。
彼ら彼女ら主人公たちの、人と人との連帯の軸は”協同組合180”。

その実践・運動があって、
映画の最終盤、保守派の医師が語った言葉のなかに、
その後のイタリアが、すべての精神病院をなくし、
地域に密着した精神保健センターをつくりあげていく歴史が感じられます。

タイトルの原語は、
 SI PUO FARE(シ プオ・ファーレ)=「大丈夫 できるよ」
なんとも奥深いタイトルです。

わたしのここ数年の作品ベスト1です!

○「人生、ここにあり!」 監督・脚本:ジュリオ・マンフレドニア
 2008年 イタリア
 http://jinsei-koko.com/

○上映予定
7月23日(土)~シネスイッチ銀座、8月中旬:梅田ガーデンシネマ、
以降秋に フォーラム仙台、札幌 シアターキノ、名古屋 名演小劇場
 フォーラム山形、京都シネマ、神戸 元町映画館、フォーラム八戸
 フォーラム盛岡、フォーラム福島、福岡 KBCシネマ

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