2010-03-14

『ユニバーサルデザインのちから 社会人のためのUD入門』のちから

20XP年12月10日、ノーベル文学賞をストックホルムのコンサートホールで授賞されたさえら女史は、umeさん運転するリムジンで、
メーラレン湖畔にあるストックホルム市庁舎・青の広間での祝賀晩餐会に到着した。

ちなみに、受賞したのは「兼六園内にある日本武尊の銅像にハトが寄り付かないことをヒントに、カラス除けの合金を開発した」某教授のような「イグ・ノーベル賞」ではないもよう。

スウェーデン・アカデミーは、その選考過程において
『ユニバーサルデザインのちから 社会人のためのUD入門』
『スローなユビキタスライフ』
『「誰でも社会」へ』
『パソコンボランティア』など
変幻自在の文章とひとを巧みな話術で操りながら、なんだかんだと少なくないこころある人たちを
ユニバーサルデザインの思想と実践の世界にひきづりこんだそのエネルギッシュな行動力と作品が高く評価されたことを表明している。
一部に「平和賞」の声もあったが、最近その賞の評価が下がりつつあるので、ここは「文学賞」をとのことであったようだ。

晩餐会会場では、カール16世グスタフ王の隣に、ハイカラさんが通るルックでひときわ目立つさえら女史は、ネット中継を見ているグスタフ王のパソコン操作をしきりに気にしている。

さて、2010年の「出版記念会」に、体調を崩し、参加できなかったことを悔やんでいた金ベエ老人は、20年ものの友人として、つぎのような受賞のお祝いのスピーチをした。以下、採録(^^;)

さえらさん!
本当におめでとう。
わしは、ほんとにうれしい。

とりわけ『ユニバーサルデザインのちから 社会人のためのUD入門』
あれは・・・つい降りる駅を乗り過ごすところだった、それくらい、じんわり、おもしろい。
前半は映画化しよう!

新人社員柚衣には九州女の蒼井優、笠井くんの人選はさておき、
脇は「釣りバカ」の脇役たちでかためる。
難問は片岡さん役だが・・・まあ、多少減量すればわしでもいいか(^^;)
監督は、最近、京都の学生たちが山田洋次監督の指導で
初々しい恋の映画「京都太秦物語」をつくったが、あの若者たちがいいなあ。

前半の映画化は決定したとして、問題は後半だ。

筆者はUDの旗手なんだけど、わしはバリア・フリーに運動論的軸足があるんよ。
80年代から90年代の、国際障害者年以降の障害者運動の大きな実践思想はバリア・フリーじゃ。
でも、国際的にバブルは弾け、北欧は、教育とITにアクセルを踏んで活路を見いだしたけど、
この国は・・・その背中も見えないほど離れる中での先のグローバル恐慌勃発だ。

すべての価値が「安い」ことに流れる中で、当事者にかぎりなくこころを寄せれば、
バリア・フリーもUDも、どちらか一つでなく、
どちらもともに権利として主張していいのではないだろうか。

当事者戦線からは、必要なものは必要なんだ、あれかこれかではなく、あれもこれも求めていい。
そんなことを最近富に感じている。
ゆがんだこの国のものの価値観を、根底から変えないと、
わしらほんとに安心して年とれないぞね。

だから、ありがとね。
UDの星は、いままでも、これからも、ずっと輝いててな。

(以上はフィクションです)

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