わたしの故郷は、利根川と渡良瀬川に挟まれた、
小さな湖沼の多いところだ。
からっ風のふくなか、川や沼に漁にでて、
ふなを捕り、なまずをとって貴重なタンパク源にした。
その名残りが田山花袋の小説『田舎教師』に
川向こうの板倉沼でとれた雑魚を漁師が売り歩いてくる
という場面がある。
足尾の鉱毒で有名な田中正造の旧谷中村(現在・渡良瀬川遊水池)はその東北部に接している。
友人がC型肝炎でふせっていると聞いて、5年ぶりぐらいに彼の家を訪ねた。
彼の家は、小さな沼のほとりの一軒家だった。
高校の頃、彼の家によく仲間があつまり、
隣の家を気にすることなく、わいわい語り合ったものだ。
夏は沼をわたってくる風がここちよかった。
その沼が消えていた。
彼のいうことには、その沼の地権者がある日その沼を売った。
するとある日からどこから来たのかわからないダンプカーがあふれ、
産業廃棄物らしものを捨て、沼を埋め始めた。
彼の家の隣の沼はあっというまもなく埋め立てられ、
北側の隅のみがまだ沼であったことを示していた。
沼を渡ってきた風は二度と吹かず、カエルのなく声も、
釣り糸をたれればとれた魚も、いまはいない。
それだけでなく、どこから運び込まれたかもわからず、
どんな内容かも知らされない産業廃棄物が、
ある日から、家の隣に埋められ、
それは時とともに地中にしみこみはじめる。
彼の娘は春に3キロ北の小学校に入学する。
入学者は20人で一学級だという。
通学路には、2年後の開校めざして
某私立大学の大工事が本格的にはじまり、
数十台のダンプが走り回る。
そのわきを、頭に小さなヘルメット、
学校指定のおきまりの揃いのジャージを来て、
赤いランドセルが歩いていく。
(1994年1月4日)
総括シリーズ、パトリック・ガンパー
16 時間前
2 件のコメント:
あっ、あっ 聞こえますか?
じぁなくて…コメントが投稿できるか?!
でしたね、すんません
*今度のブログは広告もなくて
金ベエさんの素敵な画像が全面に
UPされているしええ感じです。
*ただ、投稿するのに
グーグルへの登録をしておかないと
いけないんですね、これで変な
書込みが防げますね、ただね、
文字の確認が判りやすいのと判りにくい
のがあるのが難点かなぁって…
*昨日からの会議、お疲れさまです
また全国に素敵な情報やアイデアを
発信してね、お疲れさまです。
*あっしは昨日から歯痛でシクシク..
寒いのもあるし、今日はノンビリと
自宅でかしこうしていますです。
ほな、これからも よろしゅうに。
さっそくありがとね(^_^)
歯の痛いのはなんともつらいものです。
疲れがたまると痛くもなるよ
明日は(今日は少しわたしはこころの洗濯日)
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